2013/06/01

◆COMPUTEX2012レポート(6) フォードのクラウドカー

 フォードのクラウドカー/グッと現実路線に近づけたAppLinks搭載のニューフォーカス(FOCUS)
 展示者のドアには大きな文字で「SYNC」のロゴがある。「SYNC」とはフォードとマイクロソフトが共同開発したプラットフォームである。メディアプレイヤーやBluetooth携帯電話といったデジタルデバイスを車内で利用するときのプラットフォームとなる。SYNCは専用の車載コンピューターがデジタルデバイスのハブとなりインターフェイスとなる。音声入力や携帯電話ハンズフリー通話などが可能だ。
また、フォードは、スマートフォンのアプリを音声コントロールする「AppLinks」を、アジア地区に導入すると発表した。AppLinksはすでに北米で導入されており、フォードは今後、世界の各ローカル市場において、SYNC AppLinksと接続するスマートフォン・アプリを推進する。
SYNCは既に400万ユーザーの利用実績があるサービスで、今回は中国語にも対応したことを発表した。これを機にさらにユーザーを拡大、2015年までに900万ユーザーを獲得するという目標を掲げている。
SYNCとはマイクロソフトが開発したフォード車専用車載システムで、ドライバーはほぼ全ての機種の携帯電話や携帯デジタル音楽プレイヤーを音声やハンドル上のボタン、カーオーディオから操作可能になる。ドライバーは携帯電話や携帯デジタル音楽プレイヤーとの互換性を心配することなくシームレスな接続が可能となり、また、SYNC自身をアップグレードすることにより最新の機器やサービスのサポートを追加することが可能となる。アップグレードが可能で、音声による携帯型電子機器の操作が可能であること、そしてUSBによるストレージデバイスの接続や充電が可であることが特徴である。
 具体的には、音声認識によるハンズフリー通話、着信音の個別設定、電話帳への自動転送機能、携帯電話で受信したテキストメッセージを音声に変換して読み上げられることもできる。この機能は中国語にも対応。デジタル音楽プレイヤーや携帯電話、USB接続された機器に保存されている音楽データを、ジャンル、アルバム、アーティスト、曲名別に簡単な音声指示により作動させることができる。 
 さらに、車に乗り組んだときにハンドル上の「Telephone」ボタンを押すだけでSYNCのBluetooth機能による通話となり、携帯電話での通話を中断することなく会話が続けられる機能など、外部のIT機器と車とを繋ぐインターフェイスの役割を果たすのがSYNCである。
 また、発信者番号通知、保留、会議機能、着信履歴、電話帳、電波状況表示やバッテリー残量表示といった様々な携帯電話の機能をカーオーディオのディスプレイに表示させ、タッチパネルを操作することによって携帯電話と同じようにそれらの機能を利用することができる。自動車業界と家電業界との懸け橋となるソフトウェアとしてSYNCは2007年から開発が進められてきた。
フォードは早い時期から外部の新しいIT技術を積極的に取り入れることに積極的だった。それはEVの開発以前に遡る。SYNCはそのひとつであり、これまでマイクロソフトと二人三脚で開発を進めてきた。USBケーブルなどで接続したスマートフォンの通信機能を使い、ナビにデータを取り込んだり、インターネットラジオを聞いたりできる機能だ。性能的な先進性はともかくCOMPUTEXという世界の目が注目する場で技術をアピールする演出はすばらしい。
 自動車のIT分野は大きく交通インフラ分野と車載分野に分けることができる。特に、ナビやオーディオなどカーエレクトロニクス関連は歴史が古い。ここ数年、IT機器の通信機能が劇的に進化したのに伴って、さまざまな車載ITもさまざまな製品の可能性が提案されている。
さらに、EVの時代が目前に迫ってきた今、これまでカーエレクトロニクスとは直接関係のなかった企業が新たな出展をするケースも増えている。ブームの続くスマートフォンアプリの市場でも、今年はEV向けのアプリが続々と登場している。
AppLinksはSYNCの拡張機能であり、SYNCの音声認識機能を使って、スマートフォンアプリを制御できるようにする。今後は、アジアのアプリ開発者に働きかけて、よりたくさんの対応アプリを開拓するという。

【写真】SYNCは既に400万ユーザーの利用実績があるサービスで、今回は中国語にも対応したことを発表した。これを機にさらにユーザーを拡大、2015年までに900万ユーザーを獲得するという目標を掲げている。(130601 TCA/TOKYO)

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