2013/05/31

◆COMPUTEX2012レポート(5) フォードがCOMPUTEXに参戦

 米フォードモーターが自動車メーカーとしては初めてCOMPUTEX TAIPEIに出展した。32年となる歴史の中で自動車メーカーがCOMPUTEXに出展するのはこれが初めて。会場の展示ブースには山吹色の流線型をしたボディを持つEvos(エヴォス)が運び込まれ、国際会議場の正面ロビー左手の展示ブースに展示された。これまでのCOMPUTEXでもディスプレイ用に自動車が持ち込まれることはあったが、自動車会社がコンセプトカーを持ち込むのは初めてである。
マスコミ各社は挙って「自動車業界初のCOMPUTEX参戦はフォード!」、「COMPUTEXに『雲端汽車』(クラウドカー)登場」、「自動車メーカーがコンセプトカーで本格的な出展」といった見出しが新聞紙面を賑わせた。「パーソナル・クラウド」によってユーザーの自宅と職場、さらには車をシームレスにつなぐというのがコンセプトだ。クラウドでつながる車の未来を示唆する。

【写真】自動車メーカーとしてはフォードが初めての本格的な出展となった。Evos(エヴォス)が国際会議場の正面入り口、ロビー左手のブースに運び込まれた。


 Evos(エヴォス)は米フォードモーターが開発した次世代プラグインハイブリッド・コンセプトカーである。2011年9月17日からドイツのフランクフルトで開催された「第64回フランクフルト国際モーターショー(IAA)」でお披露目された。アジアでの展示会デビューはCOMPUTEXが初めてであり、アジアデビューの場が自動車ショウではなく、COMPUTEXであるというところが面白い。
 Evos(エヴォス)の動力はプラグインハイブリッド。目的地に応じてバッテリー走行とガソリン走行を自動的に切り替えることができる。地図情報、地域別排ガス規制、天気情報などはクラウドから取得する。二次電池はリチウムイオンバッテリーで、フォードによると、最大800km以上の航続距離が可能であるという。
回転対称のガルウィングとハイテクを備え、一見すると2ドアクーペに見えるフォルムでありながら、ガルウイングドアは4枚あり、斬新なデザインとなっている。ボディサイズは、全長4500×全幅1970×全高1360mm、ホイールベース2740mmというコンパクトなボディであるが、十分に存在感がある。
 ドアを開けると遠くからでもすぐわかる迫力ある4ドア・ガルウィングが目を引く。車の内部は4シーターのレイアウトを採用がドライバー重視の空間となっている。次世代のスポーツクーペを提案した1台だ。フォードよるとこのフロントマスクに次世代フォード車のデザインコンセプトがあり、躍動感のある流線的フォルムとシャープで骨太なフロント・フォルムフォルムが特徴的だ。
 「雲端汽車」(クラウドカー)というだけあって、その性能は斬新的だ。この車の最も大きな特徴はクラウド技術がドライバーを支援することだ。Evos(エヴォス)はコンセプトカーであるが、車の運転がいかに進化するか、未来の車の方向性をフォードがITを通じて示すものである。
 Evos(エヴォス)はドライバーが持っているPCやスマートフォン、スマートテレビなどの端末のひとつとして機能する。つまり、各種オンライン・サービスを経由してドライバーの個人情報やドライバー本人のコンディションがクラウドサーバーに接続されているのである。
ドライバーの運転操作の好みやシート位置、空調、オーディオといった車載データと、クラウドベースのスケジュール管理、音楽、天気、車車間情報などとを融合し、IT技術を統合した新しい車の使い方を提案する。
 プレゼンでは、朝食を食べていたときと同じラジオ番組を車の中でも自動的にスイッチが入ったり、ガレージの開け閉め、通勤時に混雑するルートの回避設定をしてくれたり、その日その日のコンディションによって帰宅ルートを計算して自動的に設定される。
スケジュールに従って家を出る出発時間を予測したり、車内のエアコン設定も出発時に快適温度になるように自動設定をしてくれたり、エアコンの起動設定や温度設定も自動だ。夜に高速に入ると、真夜中のドライブで聞いたお気に入りのメロディが流れてくる(?)とプレゼンでは説明する。そこまで必要(?)と思えるくらいの至れり尽くせりの機能が詰め込まれている。
 フォードの説明では、ハイテクコンセプトカーとしてとして注目すべき性能は、パワートレインの制御でドライバーが意識しなくても、燃費効率の高い走行を車が考えて可能にする点である。走行状況に合わせてパワートレイン、ステアリング、サスペンション、ブレーキをそれぞれ運転に最適の状態を自動的に維持し、それらが統合制御されるという。
車はドライバーの運転をモニターし、運転パターンや運転の癖を学習する。この運転特性や日常の習慣を記憶し、それらのデータを蓄積する。そして、ドライバ ー個人の必要性や欲求に合わせた予測や対応を行う。ドライバーにかかる運転中のドライバーのストレスをできるだけ軽減システムが自動的に働き、走行中は常にドライバーの運転特性を情報として蓄積していく。
 データは毎回ごとに次の運転時に反映され、つまりドライバーの特性を学習しながら車も進化していくわけである。これはドライバーの運転特性を知ることであらかじめ設定した行き先までの通行パターンを自動的に計算し、燃料を最大限節約できるようにエンジンの動力も調整する。ガソリンモーターとリチウムイオンバッテリーで合わせて走行距離は800km強となっている。十分な航続力だといえる。

コメントを投稿