2015/08/05

■PROLOGIUM■厚さ0.36mmのペーパー電池。薄型リチウムセラミックバッテリー

フレキシブルに曲げるとができる厚さ0.36mmの薄型リチウムセラミックバッテリー。会場ではひときわ注目を集めていた。使用目的に応じて、大きさ、形、組み込み方など極めて自由度が高い。たとえば、腕時計のベルト部分に組み込む。時計は普通に着けたり外したりしていて大丈夫。担当者の説明によると「20,000回の折り曲げ耐久テストを実施済み」だという。ブースでは耐久性を計る検査機器を持ち込んで、実際に押し曲げ試験をデモしていた。

また、スマートフォンのケースの中に組む込めば電池を追加したことを意識させずにスマートに端末を持ち歩くこともできる。会場には薄型リチウムセラミックバッテリーを組み込んだスマートフォンのケースがサンプルとして展示されていた。接続部の端末にマッチするようにケースに端子が埋め込まれていて、このまま商品化されてもおかしくないほどの完成度。色もさまざまで、実際にすぐにでも欲しくなる製品だ。

この自社技術で開発した FLCB(FPC Lithium-Ceramic Battery)は「安全性」にも十分に配慮されている。曲げても液が漏れない(固体の電解質を使っている)、燃えない(発火しない)、火で炙っても大丈夫。高いところから落としても、ハンマーで叩いても、ニードルのようなもので突き刺しても大丈夫。衝撃にも強い、耐久性がある。極めつけは「はさみ」で切ってもそのまま使い続けることができるなど。ブースではサンプルの薄型リチウムセラミックバッテリーを実際に「はさみ」で切ってみせて、それでも給電性能は変わらないというデモを行っていた。

「電圧のコントロールは独自IC技術で制御。通常は2.4V~4.2V充電電圧であるが、たとえ6~30Vの電圧をかけても発火したり、煙を出したりすることはありません」と担当者。安心、安全を特に強調していた。充電は「500回から800回ほど繰り返し使用が可能」だという。確かに自由に折り曲げることができるという点はさまざまな分野で使うことができるだろう。時計のベストだけでなく、スマートフォンやebookにも適している。外付けのバッテリーとして手袋や帽子、ベルトや靴、そして衣類に組み込めば身につける(wearable)のあらゆるものから電力が供給できるようになる。

バッテリーは今後のウェアラブル端末を進化させていく上での重要な課題のひとつ。現在のグーグルグラスはカメラ機能をフルに使うとバッテリーの持ち時間はおよそ1時間。次に1時間使うために充電には2時間が必要。これではまだまだ実用的とはいえない。セイコーエプソンの「MOVERIO」は外付けタイプで使用可能時間は6時間だが、グラスとバッテリーをコードでつないで、バッテリーをポケットに入れて使うのは決してスマートとはいえない。バッテリー技術の革新はウェアラブル端末の今後を左右する重要な要素のひとつといえるだろう。(バッテリー技術に「強み」を持つ中小企業の皆さん、その技術を台湾に繋ぎます)

いろいろな技術が結集すれば端末は確実に進化するはず。日本企業のように「垂直統合」によるモノ作りにこだわることなく、「強み」を持つ企業がその「強み」を活かして分業する。台湾は水平に広がる企業と企業の連携とセンサー技術やIC技術、モジュールや基板の開発、そしてそれらの量産技術、裾野の広いサプライチェーンに「強み」を持っている。「水平分業」のネットワークを持っていることが台湾ベンダーの「強み」なのだ。

いい技術やいい開発案件(プロジェクト)には個人投資家の資金が集まる。資金が集まれば端末の開発も一気に速度を上げて進み、その完成度もあっという間にトップクラスのスペックになるだろう。プラス台湾企業には量産技術がある。こうした台湾ベンダーの「強み」を日本企業も徹底的に利用したいところだ。

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