2014/05/01

■コラム■海外でも認められている日本人経営者(2)

<稲盛さん談:番組の一部>
「現在の中国は、それぞれの企業が大きく伸びているから、国全体としても大きく発展をしている。それは、日本が戦後の経済成長を遂げ、世界第2位の経済大国になった時と似ている。
しかし、当時日本は、成功に酔ってしまい、徐々にバイタリティを失った。そして経営者の「心」の堕落が始まり、不祥事が多発した。そこを起因とする大型の倒産もあった(山一証券のことでしょうか)。その後の日本経済は低迷を続けている。中国の経営者も一度、(従業員の)心の問題を捉え直すことが肝要と思う。
日本は中国3000年の歴史の叡智に学ぶところが大きい。今の中国には、自ら過去の良いところを見つめることが重要で、(人心を掌握し)安定的に発展していって欲しいと思う。欲望のままに(欲を満たすためだけに)、仕事を頑張り、巨利を得て、国を発展させるだけでは必ず躓くことになる。今回、中国の経営者がこのような場に集まり、経営の在り方を再考していることは大変良いことだ。
日本も高度成長時代に浮かれずに、立ち止まって考え直し、経営のありかた(稲盛哲学でいう利他)、従業員の幸福を真摯にとらえていたら、長きに渡る低迷の時代にはならなかったと思う…」以上です。グローバル化が進む中、日本は過去20年間のようにまた何かを忘れて、無いものねだりの方向に進んでいる気がしてならないのは、私だけではないと思います。
今日は、稲盛さんの言葉を徒然なるままに引用しましたが、ここからグローバル人材育成へ、私なりに勝手に変換してみます。世界に通じる偉大な日本人経営者は多くいますが、海外で現場を纏めあげるマネジメント力や、事業を革新できるリーダーシップにおいては、日本人は劣勢です。つまり、人の「心」を捉えて現場を動かし、収益をあげられる日本人です。
東洋の叡智や、「心」(考え方)の高尚な捉え方そのものは、ボーダーレスだと思います。歴史的に、特にアジア圏では通じやすいはず。それ故、哲学を持った経営を知りつつも、さらに現場レベルでどう活かすかを考えるべきです。まずは、ぶれない仕事観 を堅強に形成することが肝です。最終的には仕事観をどう伝え、考えを共有できるかが目標です。
ただ、この仕事観は、もっとコンセプチャルな次元での議論を多く行うべきで、生半可な状態では、海外で大きな誤解を生む危険性があります。身勝手な、まことしやかな仕事の価値観を、現地スタッフに押し付けることは絶対に厳禁ですね。「心」というと曖昧ですが、「心」を動かすツボに着目します。それは個人や文化によって違ってくると思います。心を動かすことで、信頼感が生まれるとも言えるでしょう。そのツボが一体何かを、現地で模索し続けられれば、たとえ1,2度失敗をしても、旨く行くようになると思うのです。
※もちろんタブー越えは厳禁です。

日本国内での多様な環境下でも同様と思います。上述のマインドが養成された上で、グローバルスキル、MBAを経営ツールとして武装することが肝要ではないでしょうか。近年のグローバル人材育成は、我々「日本人という素材の活性化」をせずに、育成という調理を唐突に行っている感じがします。下味がない料理は、見た目は良くできたとしても、食べた時に深みを感じない、つまり大して美味しくはないと直ぐに判りますよね。
自社社員を対象としたグローバル研修の初期の段階で、仕事観形成(実地含)や、哲学を現場で実践する重要性を、体得しておけば、人材が活性化された状態になると思います。そうすれば、海外ビジネスの厳しさへのストレス耐性が上がり、必須のスキル吸収、形成が容易になるでしょう。会社の看板を背負った、グローバル人材として、いよいよ活躍できる状態になると思います。

次回は、述べてきたことをどう形式知化するかについて、触れて行きます。

14/4/23アジアで活躍できる人材の育成を目指すプロジェクト
中川直紀

http://glblbizp10.blogspot.jp/

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