2014/05/18

■日曜コラム■日本人は歴史を知らなすぎる・・・

先週のコラム記事にたくさんの方からのメールをいただきました。歴史認識に直接触れた内容ではないので多くの方は共感のメールでしたが、中には厳しいご意見もありました。それはそれとして真摯に受けとめるとして、改めて国によって違う教育の内容とその意義について考えてみるきっかけになりました。

週末を利用して高校時代に使った教科書探しをしてみたところ、何と山川の「詳説世界史」を見つけ出しました。(歴史認識の問題の核心に触れる話ではありませんが、お付き合いください・・・)

高2で使った山川出版の「詳説世界史」は382ページ。そのうち349ページ以降は年表と索引で、戦後の「現在史」を扱った部分が26ページ。262ページの「アヘン戦争」から322ページの「ポツダム宣言」までのページ数が合計70ページ。「アヘン戦争」以降の近現代の歴史は全体のおよそ4分の1強。中国の歴史教科書に比べるとだいぶ分量が少なく、しかも実感としてそれほどしっかりやった記憶がない・・・。

世界史の授業は4月の「四大河文明」に始まり、夏に向って中世に入り、秋には「市民革命」や「アメリカ独立」、年が明ける頃にやっと近代に入り、「アヘン戦争」や「辛亥革命」はざっと流して、近現代は慌しく授業が進み、時には「各自自習・・・」ということもあったように思います。

つまり、大切なところは十分にやらず、特に現代史は「この辺は受験にはあまり出ない・・・」という理由で中途半端な知識のまま社会に出て、いつの間にかきちんと勉強する間もなく時が過ぎているような気がします。

ベストセラーズの月刊「歴史人」5月号の特集「戦後史の真実」をご覧になった方もいらっしゃるのではないかと思います。この内容は(少なくても私には・・・)勉強不足だった歴史の一幕をいろいろ教えてくれた特集でした。

戦後の財閥解体、農地解放、労働組合結成の奨励、教育の自由主義的改革、婦人参政権etc. そして、憲法制定から東京裁判へ、さらに55年体制がどのようにしてできたかという解説etc. 戦後の日本がどのような道のりを歩んできたかを特集しています。

山川の「詳説世界史」では戦後の日本史を取り扱っている部分は345ページでたった5行だけでした。もちろん、これらの歴史は「世界史」ではなく「日本史」の領域であり、「現代社会」(または「倫理社会」)や別の教科でも取り上げられるべき内容であるかもしれません。しかし、いずれにしても高校で何かをしっかり学んだという記憶がありません。

自分だけ(?)ではなく、恐らくこの時代の歴史がすらすら解説できる人は少ないのではないかと思います。「戦後史の真実」はなかなか興味深い内容でした。

連日にように新聞紙面に取り上げられている領土問題ですが、この辺でもう一度自分たち歴史を学び直してみる必要があるかもしれませんね。「日本人は歴史を知らなさ過ぎる」、「日本人とは議論にならない」、中国の友人にそんなことを言われないように、歴史認識の是非はともかく、日本人は確かにもう少し自国の歴史を勉強するべきではないかと思います。

前回も書きましたが、「彼らの偏った考えとの間では議論にならない」と嘆く前に、「自らの知識不足で議論がかみ合わない」ということがないように・・・。感情的な意見の応酬を繰り返すだけでは何の解決策も見い出せません。相手を知り、自らを知り、そこに接点を見い出すヒントを探し出していきたいと思います。



■日曜コラム■担当:ASIA-NET代表 吉村 章
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Bridging people, business and culture in Asia


◆Yahoo! JAPAN ビジネスニュースにてコラムを執筆中
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◆中国ビジネス「シリーズ3部作」
>「中国人とうまくつきあう実践テクニック」
>「知っておくと必ずビジネスに役立つ中国人の面子(メンツ)」
>「すぐに使える中国人との実践交渉術」
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コメント

浦上アジア経営研究所(浦上 清)
2014/5/19 上午 11:15:00
教科書の問題は学校教育面での問題でしょうが、企業人のレベルで申しあげれば、またいろいろあると思います。

マクロ的な記述になり、心苦しいのですが、日本人が、政治家も含め、アジアのことを主体的に<自分の頭>で考える時代まだ来ていないようで大変残念に思います(もちろん、こうした表現はこのブログをお読みの皆さんには当てはまらないことは承知の上で書いています)。

多分、アジア事業の進め方を考える折や、政治的なリスク問題などを考える際にも、アジアの歴史、特に近代史・現代史の部分についてはある程度の自己学習と言いますか自己研さんを積むことが必要だと考えています。これはひとから教わるものではなく、さまざまな方法で自分で行うべきことだと思います。

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