2014/03/10

■コラム■中国第12期全国人民代表大会第2回会議をビジネスの立場から考える

既に報じられているように、中国の第12期全国人民代表大会(以下、全人代)第2回会議が3月5日午前、北京市の人民大会堂で開幕した。今回の全人代の会期は3月13日までの9日間。

まず、央視網(英語版、CCTV News)に基づき、今回の全人代第2回会議開幕会議のビデオニュース(2014年3月5日付、ビデオ:1時間56分51秒)のURLをご紹介しておきたい。通訳者の英語は大変わかりやすく、映像で開幕会議の雰囲気などを感じ取っているうちに2時間弱の時間があっというまに過ぎる。

http://english.cntv.cn/program/newsupdate/20140305/102434.shtml

また、開幕会議における国務院総理・李克強の「政府活動報告」に関する新華網(英文版)記事(2014年3月5日付)のURLを記す。
http://news.xinhuanet.com/english/special/2014-03/05/c_133162002.htm

ちなみに、李克強が行った報告のハイライト版が、前掲新華網に掲載されているので、この記事のURLも掲げておく。
http://news.xinhuanet.com/english/special/2014-03/05/c_133162900.htm

最後に、筆者が、今回の全人代の開幕会議とこれまでの中国経済・社会発展の経緯などを踏まえ、感じていることをビジネスの立場から記しておきたい。

1.李総理の政府活動報告の内容は盛りだくさんであり、ある意味では総花的であるが、現在の中国政府幹部が考えていることがよく伝わってくる。従って、彼が行った政府活動報告は、温家宝前総理が行った報告同様、中国で事業を行う企業にとり、これからの中国ビジネス戦略を考えるうえで大変役に立つ。テーマは、もちろん、社会的課題解決への企業の取り組みである。

2.中国は1978年以降、改革開放の路線に乗り、外資利用を軸に経済発展の礎を築き、1990年代初頭からはいわゆる社会主義市場経済への漸進的移行を追求してきた。中国は2001年、念願のWTO(世界貿易機関)への加盟を実現し、グローバル化する世界の中で自国の経済発展と改革開放の一層の高度化を追求することになった。改革開放と社会主義市場経済への移行という壮大な実験は2010年、中国を世界第2位の経済大国に押し上げると同時に、次のような諸問題を生み出した。即ち、①社会的格差・社会的正義の問題、②経済発展の負の側面としての環境問題、そして③中国の病としての腐敗問題 - などである。

3.中国という国家、そして中国社会が、<市場>そして<母なる大地>との関わり合いの中で<社会的正義の実現>を図ることは、巨大な人口故に世界の経済大国の仲間入りをすることになった中国にとっては多分に荷の重い課題である。

4.現在、政治家や官僚ができることは次第に限定的なものになりつつある。一方で、中国では、例えば「80后」世代やインターネットなどが市民社会的な空間を創出してきている。今後は、政治家・官僚などがこのような伸び拡大する空間にどのように向き合い、さまざまな社会的課題解決への取り組みを行って行くのかが重要な課題であると同時に、イノベーション能力と財務能力の領域で社会変革の力を持つ企業がこの国が抱える社会的課題解決にどう取り組むのかなどが重要になる。

5.中国で事業を展開する企業にとって、全人代など政治の場における活動報告や問題・方向性の提示などは重要な示唆を与えるものである。


140306 浦上アジア経営研修所/代表 浦上 清

http://asiaitbiz.blog20.fc2.com/blog-entry-1073.html

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