2014/06/29

■日曜コラム■食事会で出された料理は残すことがマナー

中国の食事会ではテーブルいっぱいにたくさんの料理が並びます。日本人は、「せっかく出してくれた料理を残しては失礼」、「お皿の料理を残してはもったいない」と考えて出された料理はできるだけ残さず食べようとします。残さず食べることがホストへのお礼の気持ちを示すこと。そう考えるのが一般的ではないでしょうか?

しかし、中国ではホスト役は食べきれないくらいのたくさんの料理を注文してもてなすことが一般的です。もし、出された料理を全部食べてしまうと、これは逆にホスト役の「面子」をつぶすことにもなりかねません。出された料理を全部食べてしまうと、たいてい同じ料理がもうひと皿出てきます。食べきれないくらい料理を振る舞いましたというのが、ホストとしてあたりまえのことなのです。ホスト役の「面子」といってもいいでしょう。

■料理を残すことは相手の「面子」を立てること・・・
こういう習慣を知らなかったころ、大皿に残った料理を「もったいないから全部いただきます」と言って自分の皿に取り分けて全部食べてしまうと、ホスト役は服務員を呼んで同じ料理をもう一皿注文するでしょう。二皿目も頑張って残さず食べてしまうと、ホスト役は同じ料理をもう一皿追加で注文・・・。こんなことが何度かありました。中国では出された料理をちょっとだけ残すほうがよさそうです。これがホスト役の「面子」を立てることになるのです。

しかし、こうした習慣もだいぶ変わってきました。必ずしも「残さなければいけない」ということもないようです。世代によっても、地域によっても、またはその食事会の性格によっても異なります。ただし、基本はホスト役に敬意を表して「料理を残すことがマナー」という点を理解しておいた上で、食事会によって皆さんがご自身で判断してください。フォーマルな地方政府との食事会か、親しい友人同士での食事会か、仕事上の食事会か、完全にプライベートな食事会か etc. どんな食事会なのか、その食事会の性格によって判断するべきでしょう。

■料理を持ち帰ることはOK・・・
それから、残した料理を持ち帰るのはマナー違反ではありません。日本だと「残り物を持ち帰るというのはちょっとはしたない」と思われがちですが、中国ではむしろ積極的に持ち帰るほうがよいかもしれません。むしろ、「持ち帰りたいほど美味しい料理でした」というホスト役への意思表示になるからです。これはホスト役の「面子」を立て、感謝の気持ちを表わすことでもあります。

もちろん、生ものや汁もの、果物やデザートなど、傷みやすいものは持ち帰るべきではありませんが・・・。店側も衛生上の問題でNGの場合もあります。服務員(ウェイトレス)に持ち帰れるかどうかを確認してみることはお勧めです。ちょっとしたレストランならたいていは紙製の容器が準備してあり、手際よく残った料理を包んで持たせてくれます。ゲストなら遠慮なく持ち帰る。ホスト役ならゲストに持ち帰りを勧めてみるのもいいでしょう。

中国の持ち帰り文化はジュースを入れた小さなビニール袋にストローを差し込んで飲んだり、麺類も小さな袋に入れて紐で袋の口を結び、紙製のお椀に入れてテイクアウトしたり、日本人にとってはちょっと違和感があるかもしれませんn。しかし、考えてみればたいへん合理的です。お粥も、豆乳も、水餃子も、できたてのものがその場でテイクアウトできます。「郷に入れば郷に従え」、次の中国出張ではぜひ中国のこうした「持ち帰り文化」を試してみていただきたいところです。


■日曜コラム■担当:ASIA-NET代表 吉村 章
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Bridging people, business and culture in Asia


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