2014/06/08

■日曜コラム■温泉旅館の料理に注意

■冷めた料理は基本的に食べない・・・
中国人は冷めた料理は基本的に食べません。「おもてなし」はできたての熱々の料理を出すことが基本です。私の友人の中国人は冷めた料理にはまったく箸をつけません。冷めた料理は「残り物」、残ったご飯は「残飯」と考える考えるのです。今回紹介したいエピソードは台湾人の友人と温泉旅館に行ったときのことです。
台湾から来たグループの温泉旅行に同行したときのことです。日本の温泉が初めてという人もいて、日本の文化を知っていただくよい機会であり、参加メンバーと人間関係を深める絶好の機会でもあり、観光案内も兼ねて旅行に同行しました。

温泉旅館にチェックインして、これから夕食というときのことです。幹事役の台湾人が困った顔でやって来ました。話を聞くと、「夕食のメニューが変更できないか・・・」という相談です。慌てて大広間に行ってみると・・・。

宴会場にはお膳が並べられ、「焼き魚」や「てんぷら」、「茶碗蒸し」や「煮物」が配膳されているところです。料理には半紙がかけられ、仲居さんたちが慌しく食事の準備をしています。問題は並べられている料理がすべて冷めた料理であることのようです。

■できたての熱々の料理をでおもてなしを・・・
確かに、「てんぷら」や「エビフライ」はまとめて揚げたものです。「焼き魚」も「煮物」も作りたてではありません。「茶碗蒸し」も食事が始まる時間にはだいぶ冷めてしまうでしょう。極めつけはサラダに付け合せのスパゲティ。量が少ない、しっかり冷めている、そもそもなぜサラダといっしょなのか、これも不評を買いそうです。

台湾人や中国人はできたての熱々ではない料理は基本的に食べません。中にはサラダ(生野菜)も手をつけない人がいます。しばらくして、浴衣に着替えたメンバーが続々大広間に入って来ましたが、やはり半紙を指でつまんで料理に失望したような素振りを見せながら席に着きました。中には旅館の人に「レンジでチンしてください」と言い出すメンバーも・・・。

「郷に入らば郷に従え」とばかりあきらめ顔で宴席が始まりましたが・・・。唯一、好評だったのは固形燃料にその場で火をつけて食べる一人用の鍋料理。3~5分間ぐらい固形燃料が燃え尽きるまで火を通す料理です。これはとても珍しかったのか、熱々が食べれるから嬉しいという理由か、たいへん好評でした。

■もし、あなたがホスト役を任されたら・・・
台湾人や中国人にはとにかくできたての料理、熱々の料理を出すこと。もし、あなたがホスト役を任されたら、どんなに美味しい料理でも冷めた料理は厳禁です。せっかくの温泉旅行が冷めた「てんぷら」ひとつで台無しになります。できればメニューを事前にチェックして、熱々の料理が出せるかどうかを相談しておくとよしでしょう。

最近では「刺し身」や「寿司」を楽しみに来日する台湾人や中国人も増えましたが、「刺身」や「サラダ」を出す場合は、念のため食べられるかどうか、苦手なものはないかどうか、確認しておいたほうがいいでしょう。子供がいる場合はなおさらです。

温泉体験は日本文化を知る上で貴重な体験です。裸になって温泉に入る、浴衣を着る、畳の部屋に胡坐をかく、床(畳の上)に布団を敷いて寝る、食事だけではなく、台湾人や中国人にとってこれらすべてが異文化体験なのです。ホスト役は十分に気を配り、楽しい旅行を演出したいところですね。


■日曜コラム■担当:ASIA-NET代表 吉村 章
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Bridging people, business and culture in Asia


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