2014/06/01

■日曜コラム■冷めた料理はNG、会議室のお弁当に注意

先週の出来事。中国からの友人をアテンドし、取り引き先の企業を訪問したときのことです。彼は三泊四日の出張で都内を中心に主要クライアントを訪問するために来日していました。
その日は秘書兼通訳を同行させていましたが、時間がかかりそうなビジネス折衝だったので私も同席させてもらい彼をサポートすることにしました。彼には上海出張のときにいろいろとお世話になり、また共通の友人がいる訪問先でもあり、朝からミーティングに同席させてもらいました。
予想通り午前中では打ち合わせが終わらず、午後も継続して折衝を行うことになりました。訪問先の担当者は事前に昼食を手配していたらしく、会議室で「お弁当」ということになりました。
少しだけ悪い予感がしましたが、運ばれてきたお弁当を見て予感が的中・・・。
運ばれてきたのは仕出し弁当でした。

■冷めた料理は「残り物」、残ったご飯は「残飯」
基本的に中国人は「冷めた料理」を食べません。できたての料理、熱々の料理が食事の基本です。仮にそれが昼食のお弁当であっても冷めた料理は避けるべきです。冷めた料理は「残り物」、残ったご飯は「残飯」と考えるのが中国人です。
運ばれてきたのは有名料亭の仕出し弁当です。担当者はだいぶ奮発したのでしょう。普段なかなか食べれないような高級仕出し弁当です。日本人なら喜んでいただくところですが、案の定、中国の友人はなかなか箸をつけようとしません。
仮にそれがどんなに有名な料亭でも、どんなに豪華なお弁当でも、冷めたお弁当はNGです。ひとつ二千円~三千円の有名料亭の高級仕出し弁当でもてなすより、コンビニ弁当を電子レンジで「チン」して出したほうが喜ばれます。
有名料亭の仕出し弁当はお客さんが食べる時間に合わせて、冷めても美味しくいただけるてんぷらの揚げ方、冷めても美味しいご飯の炊き方を工夫して弁当を作るそうです。しかし、中国人にとっては「冷めたものは冷めたもの・・・」、料理を口に運ぶ箸が重たそうな様子が見てわかります。

■熱々のものをお皿に山盛りでもてなす
中国人を食事に誘うとき、または食事の手配をするときは「冷めた料理は厳禁」ということをぜひ心得ておきたいものです。もちろん、中華料理にも冷たい料理や冷ました料理はあります。冷やした蒸し鶏、クラゲのサラダなど、最初に出てくる「オードブル」はOKですが、その後の料理は基本的にできたての熱々のものを出します。。最近では健康志向の中国人が「野菜サラダ」(生野菜)を食べたり、日本食ブームで「刺し身」を食べたり、食のバラエティもたいへん広がりましたが、基本は「冷めた料理」は食べません。

■どうして中国人は冷たい料理を食べない?
どうして中国人は冷たい料理を食べないか、その理由は諸説あるそうですが、こんなエピソードがあります。一説には12世紀に宋が金に攻め滅ぼされたとき、漢民族は南に逃れて南宋を建てます。多くの人々が北(北宋)から南へ移り住んだそうです。漢民族が南へ民族大移動を行うとき、疫病が流行して数百万人もの人々が亡くなったといわれています。それ以来、漢民族は「料理には必ず火を通す」という習慣が根付いたといわれています。12世紀のことです。
炒める、揚げる、蒸すといった中華料理のさまざまな調理法はこのときに確立されたものだといわれてます。長い中国五千年の歴史から見たら、つい最近のことかもしれません。もしかしたら、昔の中国人は日本や韓国と同じように魚や肉の「生食」の習慣があったのかもしれませんね。


■日曜コラム■担当:ASIA-NET代表 吉村 章
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Bridging people, business and culture in Asia


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