2014/04/22

シリーズASEAN事情(9)マレーシアとインドネシアの生産拠点として見た比較

今回もマレーシアとインドネシアについて取りあげます。

■インドネシアのひとりあたりのGDPはマレーシアのの1/3

海外生産拠点の主な役割が、加工貿易用生産拠点から、地域市場向けの生産拠点へ移行した現在、外国企業が投資国点を検討する際は、必ず国内市場規模が重要視されます。インドネシアの1人当たりの実質GDPではマレーシアの1/3ほどですが、実質GDPでは逆に3倍近い規模があります。

現時点での市場成熟度、購買力では、まだマレーシアが優位ですが、見方を変えれば、インドネシア市場の成長ポテンシャルは素晴らしいものがあると言えます。この成長ポテンシャルが、この数年のインドネシア投資が急増している背景にあるのは間違いありません。

■マレーシアとインドネシアの相違点

では、次に相違点を見ていきましょう。まずはインドネシアです。自動車と二輪車の製造・販売を手掛けるアストラ・インターナショナルが第1位であるのは、ここ数年の自動車・二輪車市場の急成長を背景にしています。しかし、最もインドネシアらしいと感じるのは、第2位のHMサンプルナ、第9位のグダンガラムと、タバコ会社が2社もランクインしていることです。

前者は米フィリップモリスの関連会社、後者は「インドネシアタバコ」と言われる丁子(グローブ)をブレンドしたタバコのメーカーです。グダンガラムは、ちょっと甘い吸い口とグローブが燃える際のパチパチで有名なタバコです。

しかし、この禁煙の時代に、タバコメーカー時価総額が高い国も珍しいといえます。ちなみに、WHO(世界保健機構)によれば、インドネシアの喫煙率は堂々の世界第1位(2012年度)です。この数年で、ロシアを抜いて世界第1位になったようです。

マレーシアで面白いのは、携帯電話通信会社が第5位(アクシアタ・グループ)、第7位(マキシス)、第8位(ディジ・ドットコム)と3社もランクインしている点です。人口2900万人弱の国で携帯電話会社が3社というのは、ちょっと不思議な感じがします。

何といっても3社という数は、日本市場とほぼ同じです。この背景には、マレーシアの携帯電話の普及率が100%を超えていること(1人1台以上保有)、また、この3社は携帯電話事業だけでなく、インタネットサービスプロバイダー事業、衛星放送事業(マキシス)など、複数の成長分野で事業展開を行っていることも時価総額に貢献していると言えます。


■インドネシアについて

正式な国名は「インドネシア共和国」(Republic of Indonesia)、人口は2億3,764万人(2010年)と東南アジア最大の人口を。面積は1,910,931平方キロメートルで日本の5.1倍の広さ。首都はジャカルタで人口は959万人(2010年)、言語はインドネシア語、宗教はイスラム教、ヒンドゥー教、キリスト教などです。実質GDP成長率は6.2%、名目GDP総額は8、780億43、00万ドル、一人あたりのGDP(名目)は3,592ドル、いずれも2012年の数字です。消費者物価上昇率4.3%、失業率は6.1%、こちらも2012年の数字です。
ウィキベディアから引用すると、インドネシアは旧宗主国オランダとの武力闘争によって独立を勝ち取り、左傾化を容認したスカルノの後は、スハルトが第二代大統領として就任。1967年のASEAN発足時には原加盟国となり、域内での経済、文化の促進を目標として他のASEAN加盟国との連帯を目指してきました。日本との関係は良好であり、特に近年、インドネシアでは日本文化がブームとなっており、日本企業の投資や、日本語を学ぶインドネシア人が増えています。


◇もの作りのスペシャリストのための情報ポータル「MONOISTist」にて
 知っておきたいアセアン事情」を連載中
 http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/kw/fpro_aseanpro.html

◇コラム DCS代表 栗田 巧

http://www.dcs-group.jp

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