2014/04/15

シリーズASEAN事情(8)マレーシアとインドネシア、両国の基本理解

ASEAN加盟国の中に、同じ民族ルーツを持つ国があります。インドネシアとマレーシアです。意外に知られていないのですが、インドネシア人のルーツはマレー人です。紀元前に大陸部から南下したマレー人が、現在のインドネシア人の祖先です。つまり、インドネシア人というのはあくまでもインドネシア国籍を意味し、民族としてはマレー人ということになります。

民族ルーツ以外でも、両国間には多くの共通事項があります。最も需要な項目は宗教でしょうか。共にイスラム教を国教と定めています。両国共に穏健派が主流であり、アルカイダに代表されるようなイスラム原理主義とは異なります。

一日数回、モスクから流れてくるコーラン、年に1回のラマダン(断食月)以外には、日常生活の中でイスラム教国であることを強く意識することはありません。特に、ジャカルタ、クアラルンプールと言った都市部には、中国系住民が多いのも、イスラム色を薄めているのかもしれません。

インドネシア語・マレーシア語と言っていますが、実はほぼ同じ言語です。若干言い回しが違う部分もありますが、コミュニケーションには全く支障がないレベルです。

■人口はインドネシアは東南アジアで第1位、マレーシアは第6位

マレーシアには多くのインドネシア人が出稼ぎに来ています。女性であれば、メイドさんやベビーシッター、男性であれば、工場、建築現場などで多くのインドネシア人が働いています。

面白いところでは、公共バスの運転手も大半がインドネシア人です。当人同士は分かるのかもしれませんが、言葉が同じという事もあり、日本人から見ると、インドネシア人とマレーシア人の区別は全くつきません。

では、次に両国の相違点を見ていきましょう。最も顕著なのは人口です。同じ民族ルーツであるにもかかわらず、人口は大きく異なります。東南アジアで第1位、世界でも第4位のインドネシアに対し、マレーシアは東南アジア10カ国の中で6番目です。

マレーシアより人口の少ない国は、カンボジア、ラオス、シンガポール、ブルネイの4カ国です。工業化を進め先進国入りを目指すマレーシアにとって一番の弱点は人口かもしれません。



◇もの作りのスペシャリストのための情報ポータル「MONOISTist」にて
 知っておきたいアセアン事情」を連載中
 http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/kw/fpro_aseanpro.html

◇コラム DCS代表 栗田 巧

http://www.dcs-group.jp

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