2014/02/28

■コラム■デルがR&D資源を台湾にシフト

米・パソコン関連企業のデル(Dell Inc., Round Rock, Texas)はパソコンのR&D資源をテキサス州オースティンから台湾の開発センターに移すという。台湾のDigitimesが2月24日付記事、"Dell to shift PC R&D resources from US to Taiwan, say Taiwan makers"で報じた。

世界のパソコン需要が大きな伸びを示すことがあまり期待できない中で、今コスト競争力の強化が喫緊の課題の一つになっている。

台湾の業界筋は、今回のデルのR&D資源の台湾へのシフトは、厳しい市場環境下でのデルの競争力確保の動きであるとみているようだ。従って、当面はテキサス州の開発設計人員が減り、台湾拠点における人員が増えることになろう。

デルのウェブサイトによると、台湾の開発センター(Taiwan Design Center)では今ハードウェア・ソフトウェア両面で開発設計人材の募集が増えているように思われる。


最後に、今回の台湾・Digitimesの報道に関連して、筆者のコメントを記しておきたい。

デルのR&D資源の米国から台湾へのシフトは、足元では当然人件費の高い米国人材を減らし、台湾の現地人材の採用を狙った活動になる。

しかしながら、中長期的には、台湾の産業集積や人材の集積などをフルに活用することが重要になるはずである。

いずれにせよ、デルのパソコン事業においても、今後、新興国拠点での開発設計活動をもとにした製品とビジネスの創出が大きな経営課題になることは論を俟たない。

筆者は、デルが、例えばリバース・イノベーションのようなアプローチなどの開発手法を用いた新しい事業の構築にどう取り組むのかに注目している。


2014/2/25 浦上アジア経営研修所/代表 浦上 清

2

コメントを投稿