2014/01/13

■コラム■ブランド通貨の未来との出会い(その1)

以下は筆者が最近、Paul Kemp-Robertson: Bitcoin. Sweat. Tide. Meet the Future of Branded Currency, TED Talks, July 2013をみて感じ、考えたことに関する簡単なメモである。

このトークの中でPaul Kemp-Robertsonは、近年生み出され、一部の市場で取引されている仮想通貨・ビットコインやAmazonが発行した仮想通貨アマゾンコイン(Kindle Fireのアプリ・ゲーム・アプリ内課金などで使用できる)、そして特定の需要環境のもとで企業ブランドを基底に流通・使用されるP&G社の洗剤・TideやNike社のシューズ・Sweatなどの例を挙げ、分かり易く説明している。

本ブログではPaul Kemp-Robertsonのトークに基づき、プレゼンテーションのポイントを、筆者が感じたことを踏まえ、紹介したい。今回(その1)はビットコインを取り上げる。次回(その2)で触れたいことも含めて筆者が今、関心を寄せるのは、この世の中で拡大する「信頼・信用(Trust)」の分散化傾向である。

1.ビットコイン
仮想通貨・ビットコインの始まりは2008年。ネットワーク環境下のコンピュータで極めて複雑な数学的解を見つけた人はビットコインを「採掘」することができ、こうしたプロセスを通してリリースというか発行されたビットコインはBlockchain(Blockchainに関する情報)に記載される。こうしてビットコインは仮想通貨となり、取引需要に応じ決済通貨として流通したり、投資の目的で取引されたりする。取引市場での取引によりビットコインの交換価値は変動する。ビットコインは採掘により入手できると同時に、ビットコインの取引所で購入することもできる。

ビットコインはこのようにコンピュータネットワークをベースとする仮想通貨であり、国家や地域共同体などが発行する通貨とは異なる。通常の通貨と違い、仮想通貨・ビットコインの発行量には上限があり、2,100万枚までしか発行されないと言われている。ちなみに、昨年末時点での発行済み枚数は1,200万枚余りであった模様だ。

人が何故ビットコインに投資するのかという点については人びとの中にはは発行量の上限が決まっているという基本的な枠組みがビットコインの価値を増やすと思う人たちがいるのではないかとも考えられるが、これはもちろん筆者の推測の域を出るものではない。

いずれにせよ、コンピュータネットワークを介しブロックチェーンという取引帳簿をもとにビットコインの発行と取引などに関わる活動は管理されており、国家や地域共同体などがシニョレッジをベースに発行する通貨とは大きく異なる存在である。こうした通貨の将来がどのようになるか興味は尽きない。

なお、中国では人民元への悪影響を懸念する動きが顕在化し、中国人民銀行など五つの機関が昨年12月5日、金融機関に対する通知を出し、ビットコインを使った決済サービスや金融商品などの提供を禁止した。その後、例えば、世界最大の取引所であるBTC China(2011年設立、上海市)は12月18日、顧客の口座への人民元の新規入金を停止したと報じられている。

中国におけるビットコインの状況についてはいずれ稿を改めて論じたい。

140110 浦上アジア経営研修所/浦上清

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