2013/12/15

■コラム■【日曜コラム】「お礼を言わない」ことがあたりまえ?

中国人の友人を食事に誘ったときのことです。私のほうから声をかけたので食事代は私のほうで持つことにしまいた。お酒と料理とお互いの近況報告で楽しい時間が過ごしました。食事の後、「ありがとうございます」と言って彼は私の接待を快く受けてくれました。

しかし、翌日のことです。たまたま顔を合わせた彼に笑顔で話しかけると挨拶には応じてくれましたが、「昨日はご馳走様でした」という言葉がありません。日本人なら「あたりまえ」と思うお礼のひと言です。仮にそれが社交辞令であっても、ひと言ぐらいお礼があってもいいのではないでしょうか?

「昨日の食事会で何か気に障ったこと言ったかな?」「腹を割って話ができたと思ったけど、まだまだ十分な信頼関係ができていないかな?」とちょっと考え込んでしまいました。「こんなときはひと言お礼を言うべきだよ」とつい声をかけたくもなります。

そんな経験をお持ちの方もいらっしゃるはずです。こういう場面でたいていの中国人はお礼を言わないのです。日本人にとっての「あたりまえ」が、中国人にとっては「あたりまえ」ではないのです。

実は、食事のお礼を日を跨いで改めていうことは、「私にまたご馳走してください」と催促をすることなのです。ご馳走をしてくれた人に対して「またご馳走して欲しい」と催促することはたいへん失礼なので、「昨日はご馳走様でした」とは言わないのです。

催促することは「はしたない」、「恥ずかしい」ことなのです。それで彼らは敢えて「昨日はご馳走様でした」という言葉を口にしないのでしょう。

「あんなにご馳走してあげたのにお礼のひとこともないのか」「礼儀知らずだな」とついつい思ってしまうのが日本人。実は私もその一人でした。

しかし、彼は食事会の後、「今日はご馳走様でした。ありがとうございます」とお礼を済ませているはずです。その日のお礼はその日に済ませるわけです。日を改めて何度もお礼をしないというのが中国人の「あたりまえ」なのです。

異文化理解を深める第一歩は、相手との違いに気づくことです。「あたりまえ」だと思っていることが「あたりまえ」ではないことがたくさんあります。「あたりまえ」を疑ってみる。自分たちの「常識」を再点検してみることが異文化理解の第一歩なのです。

日曜コラム担当 ASIA-NET 吉村 章


※中国人に絶対贈ってはいけない品物

http://www.ippc.biz/DetailComment.aspx?nid=1340

コメントを投稿