2013/12/13

本気度を示す「神様も海外赴任」「ご先祖様も現地駐在」

台湾企業が中国ビジネスにどのように取り組んでいるか、台湾企業の「本土主義」を象徴するひとつの事例を紹介します。台湾企業がいかに本気であるか・・・。「本土主義」を感じていただくための事例です。

M社は従業員500人ほどの中堅部品メーカーである。金属加工部品からプラスチック成型部品まで幅広く取り扱っています。社長の謝氏は中国に進出して10年。日本企業との取引もあり、日本留学経験のある息子さんを日本から呼び返して中国で会社経営に当たっています。中国側にも幅広いネットワークを持ち、現地の「台商協会」(中国に進出している台湾企業で組織された団体)の役員も務めています。蘇州地域に台湾ベンダーの集積が進む中で、これまで着実に生産規模を拡大してきました。

中国では現地に進出した台湾企業が工場の敷地内に出張者向けの簡易ホテルを建てたり、幹部職員向けの宿舎を建てたりするケースよくあります。現地視察の中で幹部職員が自由に利用できるスポーツジムや温水プールまで完備するケースや敷地内にゴルフのハーフコートを持つ大手ベンダーには驚かされました。

M社でも幹部職員向けの宿泊棟を完備し、台湾人幹部職員や日本人の品質管理指導者などが駐在しています。幹部職員専用の食堂や娯楽ルーム、広々とした環境には歌壇や池などもあり、快適な住環境を整備しています。

総経理の謝氏自身も敷地内に自宅を建てて住んでいます。家庭菜園があり、庭にはみかんの木があり、タマゴも自家製だそうである。本気で自給自足を目指しているわけではなく、あくまでも社長の趣味だそうだが、野菜作りは本格的です。視察に訪れたとき、工場内の菜園で育てている野菜やタマゴが夕食に出されて幹部の皆さんが食べている料理でおもてなしを受けました。

しかし、何と言っても特筆すべきは、自宅の横に建てた建物です。皆さん,上の写真をみてください。この写真の建物を何だと思いますか?

すぐにピンときた方もいらっしゃるでしょう。そうです。これは・・・。

神様やご先祖様を祀る「廟」です。「廟」とは道教の宗教施設であり、先祖代々のご先祖様や信仰する神様を祀るための建物です。つまり、現地にすっかり根を下ろし、もう台湾には帰らない(?)覚悟で自宅の横に「廟」を建ててしまうのです。

「神様も海外赴任」、「祖先様も現地駐在」 文化の違いこそあるとはいえ・・・。こんなふうに本気モードで現地経営にあたるのが台湾企業なのです。

「駐在」ではなく、ご祖先も連れ出して「永住」です。骨を埋める覚悟で本気の中国駐在。もちろんのこの「本土主義」は日本企業には到底真似はできないでしょう。それでは、日本企業は何を以って彼らの「本気」に対抗すべきでしょうか?

日本企業にはなかなか真似できませんが、台湾人の本気度を垣間見ることができる「本土主義」の象徴的な点です。もちろんこれは文化の違いです。日本企業が現地に駐在員を送り出すときに、「もう日本に帰らない」というわけにはいきません。

台湾の人口は約2200万人。就業人口が約1000万人です。その中で現在およそ100万人の台湾人が中国で仕事していると言われています。台湾人ビジネスマンは10人に1人の割合で中国に駐在していることになります。
これに出張ベースで行き来している人を加えると、中国ビジネスに関わっている台湾人ビジネスマンは膨大な数になります。また、台湾企業が中国で生み出している雇用はおよそ1200万人と言われています。すなわち、台湾企業は、台湾の就業人口よりも多い人たちを中国で雇用していることになります。

131213 ASIA-NET 吉村 章


※「三本主義」とは、本土主義、本土主義、本領主義の3つ。詳しくはこちらをご覧ください。

http://www.ippc.biz/DetailComment.aspx?nid=1487

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