2013/12/12

台湾企業に学ぶアジアビジネス3つのポイント

アジアビジネス成功の秘訣の3つ目は「本領主義」です。「本領主義」とは、読んで字の如く「本領」を発揮することです。つまり、自分の「強み」を見極め、その「強み」を徹底的に主張し、「強み」をビジネスに活かすということです。アジアビジネスで成功を収めるためには、まずは自らの「強み」を見極めることが第一歩という考え方です。


■「強み」を見極めること、その「強み」を徹底的に発揮すること・・・

リーマンショック、そして尖閣問題を経て、日本企業が中国ビジネスに取り組む姿勢がだいぶ変わりました。「何かビジネスチャンスがありそうだ・・・」、「何かやりたい・・・」という声はほとんど聞かなくなりました。「何かできそうだ・・・」、「とにかく行ってみよう・・・」という方もいなくなったようです。「とにかく中国・・・」、「中国に乗り遅れるな・・・」とばかり中国に眼を向けていた時代は終わったようです。

今、ブームの矛先は東南アジアに向いています。「とにかく行ってみよう・・・」、「乗り遅れるな・・・」という方を今度はベトナムやミャンマーで見かけることがあります。かつて、中国を「ばら色」の可能性と考えた企業が、実は「茨」の道に迷い込んでしまったように、「チャイナリスク」を避けるために東南アジアに向っている企業も、今度はベトナムで、ミャンマーで苦戦を強いられることになるのではないでしょうか。

結局のところ、「強み」を発揮できない企業はどこへ進出しても「茨」の道です。「強み」を徹底的に見極めること、その「強み」を徹底的に主張すること、これはどこへ行っても同じではないでしょうか。「本領主義」とは、自分の「強み」を徹底的に見極め、徹底的に「本領」を発揮することです。自社の「強み」がその地域のニーズに合うかどうか、求められている「強み」として通用するかどうか、これをを徹底的に考えること。これが「本領主義」です。

新たな進出先で中国企業との戦いに巻き込まれるというケースも耳にします。ビジネスチャンスの可能性があるところにはたいてい「華人」がいます。先回りしてネットワークを網の目のように張り巡らして貪欲にビジネスに取り組んでいます。どこへ行こうと中国企業との関わり(華人との関わり)は避けて通れないようです。

彼らは、ビジネスチャンスを得るためには多少の「リスク」がつきものと考えます。そのリスクを最小限に留めて、チャンスをモノにするために、スピーディに、フレキシブルに、チャンレンジ精神を発揮して、ビジネスに挑んでいきます。リスクを克服し、それを「強み」に転換し、ビジネスを切り開いていくためのノウハウ(智慧)とネットワーク(人脈)を持っているのです。

■御社の「強み」を1分間で話してください・・・
 
こんなことがありました。企業訪問時の出来事です。訪問先は台湾でも有名な大手セキュリティー企業で、公安や軍関係のセキュリティー・システムを一手に引き受けている企業です。グループの総裁がわれわれ日本からの視察団を迎えてくれました。彼は業界ではちょっとした有名人です。

一方、日本側はベンチャー企業の若手社長グループ。ミーティングはまず総裁のひと言から始りました。彼は開口一番、「君たちの会社の『強み』についてポイントを3つにまとめて、1分間で話してください」と切り出しました。決して高飛車な態度ではなく、チャンスがあればアライアンスの接点を探そうという彼の姿勢。相手が中小企業でも、ベンチャーでも、「強み」さえ持っていればその企業と対等に付き合う。こうした姿勢は台湾企業共通の特徴です。

逆に、日本側から見ると相手が大企業であっても物おじする必要はありません。海外では意外と敷居は低いものです。要は主張できる「強み」があるかどうか、その「強み」をきちんと主張するかしないかがポイントです。 しかし、残念ながら日本側は準備不足でした。いきなり「強み」を3つに絞ってと言われてもなかなか即答できるものではありません。

もし、「1分間で会社の『強み』を3つのポイントにまとめて言ってください」といわれたら、皆さんなら何を伝えますか?私が講師を務める「海外市場開拓セミナー<実践講座>」では、こんなワークショップも取り入れています。「強み」を徹底的に見極めること、これが海外でのビジネスを展開するとき、まずは自社で取り組むべき課題の第一歩です。http://www.asia-net.biz/20-2.pdf

■「三本主義」はそのまま日本企業が克服すべきウィークポイント

「三本主義」とは、「本人主義」「本土主義」「本領主義」の3つを指します。つまり、「経営者自ら(決定権を持つ責任者)が、ビジネスの最前線で陣頭指揮を執り、『強み』を徹底的に発揮してビジネスを進める」ということです。この「三本主義」にはアジアビジネス成功ののエッセンスが濃厚に凝縮されていると言えます。

台湾人経営者が言う「三本主義」を日本企業にも当てはめて考えてみた場合、果たしてどうでしょうか。もしかしたら、「三本主義」からそのまま日本企業のウィークポイントが見えてきそうな気がします。スピード、柔軟性、チャレンジ精神、それらを実行するためには「三本主義」が必要であり、日本企業の苦手な部分と言えるのではないでしょうか。

最後に個人的な見解ですが・・・。中国ビジネスはこれから進出しようという新規のビジネスはめっきり少なくなりました。しかし、逆に中国ビジネスに本気で取り組もうとする人が増えたように思います。「ホンキ度」が増したと言ってもいいかもしれません。「今だからこそ中国・・・」、「これからこそ中国・・・」という元気な企業を「三本主義」で応援していきたいと考えいています。

131212 ASIA-NET 吉村 章

※次回は台湾企業の「本土主義」を象徴するエピソードを紹介、詳しくはこちらからご覧ください。

http://www.ippc.biz/DetailComment.aspx?nid=1440

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