2013/11/14

■コラム■中国3中全会が閉幕: 包括的な改革の深化

中国共産党中央委員会第3回全体会議(3中全会)は11月12日、閉幕し、同日夜、会議の決定事項を要約したコミュニケ、3中全会公報(新華網同日付)が発表された。

今回の会議が始まった直後に筆者がブログ記事の中で強調した会議の核心的テーマは「改革の深化」であった。そして、昨夜発布された公報を拝見すると、確かに「包括的な改革の深化」(全面改革深化)の文字が繰り返し何度も登場している。

今回発表されたコミュニケの要点は下図に示される通りである。党の会議の結論を要約した形のコミュニケは、党内の各勢力などへの配慮もあり、はっきり言って総花的な感は否めない。

筆者の視点から公報のキーワードを挙げると「包括的なな改革の深化」、「中国的特色を持つ社会主義制度」、そして「社会主義市場経済」の三つである。ご承知の通り、二番目と三番目の言葉は、鄧小平以降、これまで歴代党指導部が謳って来た概念である。そして、「包括的な改革の深化」が最も重要なものであることは言うまでもないが、具体的に何をどこまで改革するのかについての論述は別の機会に譲る。  

特に、社会主義市場経済への漸進的な移行を追求し続けることは、歴代幹部の場合と同様、現在の党指導部にとっても最も重要な課題の一つである。ここにおいては、政府と市場の関係への対応を党がどのようにハンドルするかが核心的テーマである。より具体的に言えば、あらゆる資源の配分に際し党おび政府は「市場」の大切な役割を理解しなければならない。筆者は、中国共産党と中国政府が「市場」にどのように向き合い、市場との関係にどう折り合いをつけるかがこの国の経済および社会の発展の方向性を左右すると考えている。
          
最後に、中国の病・腐敗の打破による社会的正義の領域での改善、とりわけ政治家、官僚、そして国有企業の幹部などの要職にある者たちを党幹部がどのように指導するのかについて今回どこまで議論されたのかが分からないが、社会的格差是正の問題は現在の中国にとり深刻なものであり、こうした領域への切り込みをどこまで具体的な形で進めるかは中国共産党の支配の正当性に絡む現実的で重要な課題だと思う。

なお、今回のコミュニケの中では「国家安全委員会」の設立が目を引くが、この点についても、また稿を改めて論じることにしたい。

(131114/浦上アジア経営研修所)

http://asiaitbiz.blog20.fc2.com/blog-entry-1036.html

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