2013/11/12

■コラム■厳戒下の3中全会: 改革の深化と経済成長・社会格差是正

 今回の3中全会では改革の深化が最も重要なテーマであることは言うまでもない。3中全会に関する情報についてはChina Daily英字オンライン版に特集コーナーが設けられているのでぜひ参照いただきたい。

 筆者は、現在の中国共産党にとって大変困難な課題は、中国政府が改革の更なる深化により、経済の成長と社会的格差の是正を具現化する中で、中国の病である腐敗、とりわけ共産党幹部たちが牛耳る国有企業関連業界における国家独占と独占事業との関連で構造化した利権の横行や頻発する汚職問題などを具体的な形で一つひとつつぶして行き、「国進民退」(産業分野において国有企業の勢力が拡大し、外資を含めた民営企業の勢力が弱まる現象)を克服すると同時に、社会全体において社会的正義や公平感を取り戻すことだと考えている。

 具体的な例を挙げよう。蒋洁敏(蒋潔敏、Jiang Jiemin)は今年3月まで中国石油天然气集团公司(中国石油天然ガス集団、CNPC)董事長を務めていた人物であるが、同月、国務院国有資産監督管理委員会(SASAC)主任の任務に就いた。今年9月初旬、中国当局は「重大な規則違反」で彼を取り調べ、前述SASACの職務ポジションを剥奪、彼を解任した。現在、蒋洁敏は収賄の罪で拘留されている。観測筋は今回、蒋洁敏が中国共産党中央委員から外されるかどうかを注視している。

 中国において共産党員で政治家や官僚の地位にある者、そして国有企業のトップなどが次々に引き起こす汚職などは決して許されるものではなく、こうした規律なき行動をどこまで払拭できるかは、中国共産党の支配の正当性に絡む重要な課題である。

 こうした腐敗の構造への切り込みが中国共産党自身にできなければ、中国社会におけるこの党の求心力は弱まり、ひいてはこの国の社会の安定性と持続可能性は更なる劣化をみることになる。

 改革の深化による経済成長の質の高度化と社会的格差是正や腐敗打破への取り組みは、世界第2位の経済大国・中国を指導する中国共産党にとって極めて現実的な課題である。(131112/浦上アジア経営研修所)

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